賑わう街中から一歩外れた細い路地裏。
表の喧騒とは打って変わった静けさに呼ばれた様な気がして足を踏み入れた。
建物の壁に挟まれた一本道をひたすらに進んだ先の行き止まりには、いかにも古めかしい、今にも朽ち果てそうな扉が客人の訪れを待ち受けていた。
扉には控えめな文字で
《路地裏書房》
の名が刻まれ、その下には注意書きの貼紙があった。
それに近づいて覗き込めば、以下の文を読み取れた。
『この先は店主の妄想が生み出す、二次創作の小説があります。
二次創作や夢が苦手な方はお帰り下さい。
大丈夫、という方は扉を開き中へお進み下さい』
読み終えて、しばし悩んだ。
さてどうしようか、と。