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いなくなれ(諸ホウ)


「消えとくれないかい?」


何度も聞かされたその台詞な筈なのに、今回のはやけに重く心にのしかかった。


「士元…?何かあったのですか?」

「…いい加減うんざりなんだ。まとわりついてきては胡散臭い事ばかり言って。」


俯いたまま吐き捨てるように言葉を連ねるホウ統に諸葛亮はただ呆然とするしかなく、差し出そうとした手は何者も触れることなく空を掴んだままだ。


「距離を置こうとしてもお前さんはしつこくあっしについてくるし、あしらおうものなら拗ねたり、力ずくに進めようとしたり、」

「あの、待ってください。士元、あなたは一体何の話を…」


言葉を挟もうとしてもホウ統は許さず、諸葛亮を見ることもないままつらつらと話を続ける。


「何度も何度も気味の悪い言葉を聞かされ、ひっつかれて、押されて、もう、ほんと、お前さんはあっしになにを求めているんだい?からかってんのかい?」


そこまで聞いて諸葛亮は小さく揺れる肩に気付き、彼が自分の何に対して怒っているのかわかった。


「頼むから、その気じゃないのにあっしに構わないどくれ。お前さんの言葉や行動に振り回されるのは疲れたんだ。」

「士元。」


呼びかけるとほぼ同時に諸葛亮はホウ統を抱きしめた。


「あなたが何故、そんな事を考えたのかはわかりませんがこれだけは言わせて下さい。
私は、気まぐれで『愛してる』と言うほど薄情な人間ではありません。」

「(分かってる。分かっているんだ)」


苦しいくらい抱きしめられて諸葛亮がどんな顔をしているのかはホウ統には分からなかったが、抱きしめる腕の力強さに恐らく怒りと悲しみを混ぜたような顔をしてるんだろうな、と推測した。


「(お前さんの想いが本当だって、分かっているんだ。)」


でもそれを認めてはいけない。
今まで孤独に生きてきたホウ統にとってそれにすがる事は愚かで無謀な行為だったのだ。


「(きっとこいつにすがったら、あっしはとんでもなく弱くなる。)」


頭では分かっていてもその腕を振りほどこうとしないのは同情なのか、それとも別の感情なのか。
ただハッキリしていることは彼の温もりがひどく心地よいことだけ。


「…やっぱり、お前さんは消えてくれた方がいい。」


温かな腕の中で呟いたホウ統はその温もりに身を任せるように瞳を閉じた。



+++++++
1人の時に比べて、大事な何かがある時は感情が豊かになる気がします。
周りに何を言われても気にしないでいたホウ統は諸葛亮という存在が大きくなることで、自分の心が弱くなる事を恐れてたらいい。
まぁそう思う時点でやつの存在がかなり大きくなってるのですがね。笑

*拍手返事*



11日 5:29 お帰りなさい〜 の方≫
ありがとうございますっ!!
まさかまさかの読んでくださってる方が!
見捨てられてなかった事に感謝感激雨霰でございます。・゜・(ノД`)・゜・。
マイペース更新なのは相変わらずですが、あなた様の期待を裏切らないよう、頑張らせていただきます♪
ほんとありがとうございましたっ!



から押しの方もありがとうございます♪

とある日の会話(諸ホウ)

「幽霊って存在するのでしょうか?」


「いないんじゃないかい。」


「そうでしょうか?」


「死んだ者は消えてなくなる。そういうもんだと思うがね。」


「ですが、姿を見たり声を聞いたりする者も居ますよ。」


「幻覚だろう?死んだ者への想いが強いと頭がその人を作り出すんだよ。」


「会話ができる人もいます。」


「こう言ったらその人はこう返すだろうって無意識に考えてるからじゃないかい?所詮は思い込みさ。」


「…たとえ思い込みだったとしても、私は幽霊の存在を信じたいです。」


「信じるのはお前さんの勝手さ、ただあっしが信じてないだけで。
…まぁ、もし幽霊が存在して、生きてるやつがそれと話しができるとしたら、恐らく、そいつはもうすぐ死ぬんだろうね。」


「どうしてそう思うのですか?」


「あの世とこの世の境目に存在する者と話せるのは同じ場所に立つものだけだと思うからね。」


「そうなんでしょうか…」


「おや、『そんなことありません』とかなんとか言うかと思ったのに。」


「一概に否定できないので。」


「どうして。」


「今、私が貴方とこのように話しができています。」


「…本当に、お前さんは馬鹿野郎だ。」





(だとしたらあっしは死神だね。)


(貴方のような死神、願っても無い幸運ですよ。)



+++++++
五丈原にて。



再浮上

お久しぶりです。
なれない社会に長い間揉まれてやっと落ち着きだしたのでまたもや創作意欲が湧いてきました。
なのでまた細々と書かせていただこうかなと思います。


まだ見てくださる方っておられるんですかね…
諸ホウ、仁受けというマイナーCPを普及するため、また自給自足のため、頑張ります。

敏感肌(諸ホウ)





「だあああああっ!もう!くっつくな!」


静かな景色に似合わぬ叫びに驚いた鳥達がバサバサと音を立てて飛び去った。


「なんでですか、折角暇な時間をもて余してると言うのに。」

「暇なのはお前さんだけだ。あっしはまだ仕事が残ってるんだよ!」

「法正殿や糜竺殿にやらせれば良いじゃないですか。」

「それワザとかい?そんな事あの人達に言ったら絞められると思うよ。」


そう言う間もお互い引き下がる事なく身体を押し合っている。うっかり扉を開けてこの光景に遭遇したら、八割の人は何も言わず扉を閉めるだろう。(一割半は助言や茶々を入れて去る。残りは妨害。)


「最近ずっと仕事に付きっきりじゃないですか。たまには息抜きするべきですよ。」

「じゃぁ息抜きするためにこの仕事終わらすからどっか行っとくれ。」

「なんでですか?」

「邪魔だから。」


酷いことおっしゃる。とさして傷付いた表情も見せずにますます身体を密着させてくるので、ホウ統はぶん殴ってやりたい衝動を必死に抑え、とりあえず無視を決め込むことにした。(直後竹簡を取ろうと手を伸ばした際、腕も抱きつかれてる為うまく伸ばせず軽く舌打ちはしたがまぁ許される範囲だろう。)


「士元」

「…」

「しーげーん」

「…(無視無視)」

「……」

『かぷ』

「どっぅえっ!!?」


突然首筋にきた刺激に意味不明な叫び声をあげたホウ統は、犯人と思われる(つか犯人)を睨み付けた


「な、な、何すんだいいきなり!!!」

「退屈だったのでつい」

「退屈だからって首噛むやつが…ちょ、ま、触るんじゃないよ!こら!!」


ホウ統は体を動かし抵抗しようとするが抱き締められている為に満足に動けず、されるがままになっていた
首に指を這わす度に大げさに跳ねるホウ統を見た諸葛亮は、あるひとつの結論が浮かび口角を上げる


「首、敏感なんですね。」

「は!?違…ぅあっ!!」

「敏感ですよ、普通はこんなに反応しません。」


至極楽しそうに微笑みながら首を触り続ける諸葛亮にホウ統は軽く殺意を覚えたが、動くことができない為ただ睨むことしかできなかった


「ねぇ、士元」

「……なんだぃ」

「可愛いですね」

「キモい」


満足したのだろうか、首を触る手は離れ、体を抱き締める力が強くなると共に肩に柔らかな重りが乗った

「…怒ってますか?」

「……。
…いや、もういいよ。怒ってない。」

「すいません。」

「謝るなら始めからするんじゃない。…ああほら、仕事手伝ってくれたら許してやるからそんな顔しないどくれ。」


するとさっきまでの切ない顔はなんだったのか、途端に明るい顔になり勿論ですと机へと向かった
あまりの変わりように負けた気分になりながらも、何故か心底嫌いになれない自分の気持ちにホウ統は小さなため息を吐き、微笑んだ






(ふふ、士元の弱点を見つけてしまいました)

(今度触ったらぶん殴るけどね)



+++++++
首が弱い人の首をさわり続けるのはある意味拷問です。いやホント。
しつこくすると最悪マジギレされるので注意(体験談)

諸葛亮が満足しないルートだと確実に暗転行きなので自重しました(笑)←


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