Chamomile tea

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図書館戦争の二次小説を書いています。基本堂郁です。
はじめての方は「はじめに」をご覧ください。(メッセージボードにINDEXのリンク貼ってます。)

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お久しぶりです。


インターネット解禁したので堂郁の日特別連載を再開します!


と、言ってももう今日は堂郁の日なので今まで更新できなかった分を明日纏めて更新します。

順序バラバラかもしれないので堂郁の日特別INDEXからの閲覧を推奨します。

諸事情によりパソコンの使用が出来なくなってしまったので2、3日ブログの更新をストップします。
パソコンの使用が可能になり次第更新する予定だった記事を纏めて更新します。
ごめんなさいm(_ _)m

堂郁の日まであと6日


恋人期



***



「堂上教官に素直に謝れば済む話じゃないの」


柴崎はそう言うも、「絶対に失くしません」とまで言ってしまったものをそう簡単に「失くしてしまいましたごめんなさい」とは言い難い。というか、もしそんなに簡単に言えたのならばここまで深く悩む必要は微塵も無いのだ。


「それができないから困ってるの!」

「馬鹿ねえ。あんたのことだからまた”堂上教官に言ったらがっかりするかも・・・”とか考えてるのかも知れないけど、そんなことで教官はそこまで落ち込まないわよ。それよりも、あんたが根暗オーラだしまくってるほうがよっぽど堂上教官を悲しませるわ。」


図星過ぎる柴崎の発言に郁はきょとん、となった。


「堂上教官、あたしが悩んでたら悲しくなるのかな。」

「あったりまえでしょうよ!あんたが元気でニコニコしてるのがあの人の生きがいみたいなもんなんだから!」

「考えとく」


考えることなんてないでしょうよ、と思った柴崎だったが真剣な郁の表情をみてそれを言うことはできず、眠りについた。




+++++++++++++++++

To 堂上篤

Ftom 柴崎麻子

title.大丈夫です。

笠原に聞きましたが、痴漢とかではありませんでした。

堂上教官に関係することなので気をつけてくださいね。

では。


+++++++++++++++++




宿舎に戻った堂上は柴崎からのメールを見て一先ずはほっとした。

もし郁に何かあったのならば一大事だ。まさかそこまで深刻な理由だとは考えもしなかった。そんな自分にも苛立つ。

痴漢ではなかったのはよかった。しかしなんだこれは。「堂上教官に関係すること」って。

俺が何かしたか。

堂上の脳内メモを振り返っても特に郁に対して酷いことをした覚えは無い。いや、堂上が気付いていないだけで何かしてしまっているのかもしれない。そう思うと得体の知れない罪悪感が襲いこんで気分が悪くなった。


「ああ・・・」


自然に大きなため息が出る。いつもの郁の笑顔が当たり前となっていて、改めてその笑顔に助けられていることを思い知った。


疲れきった堂上はそのまま眠り込んだ。





「おはようございます」


郁は昨日と同じく早く出勤した。それは勿論、堂上に全てを白状して謝罪する為だ。


「おはよう」


「郁」

「教官」


二人の声が同時に重なった。


「あ、教官から先で大丈夫です」

「いや、郁からで・・・」


ここで又引き下がったらもしかしたら誰かが来て言えなくなってしまうかと思い、郁は先に言うことにした。


「あの・・・・・教官ごめんなさい!」


勢い良く頭を下げた郁にどうすることもできなくなった堂上はいいから顔を上げろ、と郁を説得して顔を上げさせた。


「な、何をしたんだ一体?」


「この間教官に貰ったももいるか、限定版で絶対失くしませんって約束したのにどこかに失くしてしまいました・・・・。」


今までの郁のブルーオーラの理由が一気に解決した。

そして、そのブルーオーラがこんな理由だったとは思いもせず、思わず堂上はふきだした。


「ブッ・・・・ 郁、そんなことで落ち込んでたのか?」


頭を下げっぱなしの郁は聞いてるのか聞いていないのか全く動かない。


「俺はそんなことでいちいち怒ったりしないから大丈夫だ。それにお前がよく物を失くすのは承知だ。」


「えっ・・・・何であたしがよく物を失くすの知ってるんですか・・・?」


「お前、前に俺の実家の車に腕時計置いていっただろう。あと、俺の部屋にも一度その腕時計は追い照ったことがあるな。あと・・・」


「でもそれ、全部鞄の中にいっつも入ってますよ?」


「俺がそっと入れたんだ。」


そんなに忘れていたのか!と郁は赤面した。


「まあいい。お前が元気なのが俺は一番だ。これからはちゃんと言えよ。」


完全に彼氏モードの堂上の微笑みに抱きつこうとした、。

そのとき


バタン!

 

背後で大きな物音がした。


「何だ!?」


後ろを見ると、爆笑している先輩や小牧、勿論隊長までもが笑い転げていた。後ろには気まずそうにうつむいている手塚までもがいる。


「も、もしかして!そこでずっと見てたんですか!?ひどい!ひどい!ひどい!」


「いやぁ、堂上のそのニヤけ具合は面白かったぞ?さすが、王子様はお姫様の前になると変るんだなぁ?な!」


玄田がガハハハハと笑いながら言った。他の面々も揃って笑い転げている。


恥ずかしさに居た堪れなくなった二人はそっと自分の机に戻り、始業前にもかかわらず資料に没頭した。



***